『未来の東京』戦略
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•歴史の大転換点を迎え、様々な分野・場面においてパラダイムシフトが起こる。変化のスピードは、100年に1度とも言われる未曽有の危機によって加速度を増している。創造力を逞しく持って夢を描き、未来を切り拓いていく必要がある。•例えば、イノベーションは、新たな価値を創造し、社会に大きな変化・変革をもたらす。日常生活では、交通手段として、地上や地下だけでなく、空飛ぶクルマなど空中といった空間の使い方や、シェアリングエコノミーをはじめとするモノの所有の仕方、フィジカル(現実)空間とサイバー(仮想)空間の融合など、人々のライフスタイルは劇的な変化を遂げていくことが想定される。•また、人生100年時代を迎え、いくつになっても健康でいきいきとした方が増えていく。「高齢者」のイメージの見直しや「生産年齢」の捉え方など、長寿時代に即した社会の活力を更に引き出す仕組みを模索する時期に来ている。•仕事面についても、DXの推進や、テレワーク、副業・複業、フリーランスなど、場所を問わない多様な働き方が広く浸透し、会社の役割やオフィス、本社機能のあり様も大きく変わっていく。•世の中の動きは速く、予測不可能な変化も生じ得る。不確実な時代を生きるには、これまでのロールモデルに頼るのではなく、一人ひとりが、個性や能力を最大限に伸ばし、自らの希望や意思に基づいて、人生を選択できる環境を整えていく必要がある。•最も重要なのは、東京の活力の源泉である「人」を守り育てることである。未来を担う子供への投資に本気で取り組み、世界に通用する「人」を育てる。子供が笑顔で元気に育つよう、子育てを社会全体で支える。いくつになっても学び、チャレンジを続けることができる環境を整える。貧困の連鎖や新たな格差を生まないセーフティネットの更なる充実など、子供から高齢者・女性・障害者・外国人など、誰もが活躍できる環境を整えていく。•また、コロナ禍で、当たり前だった人の交流が途絶え、人と人とのつながりの重要性を再認識させられた。リアルとバーチャルのハイブリッドにより、新たな時代にふさわしいつながりを紡ぎ出していく。人と人をつなぐ、未来へとつなぐなど、「つなぐ」をキーワードに人に寄り添い、多様性や包摂性に富んだ、人が輝く東京を実現していくことを政策の基軸とする。未曽有の危機を乗り越え、未来を切り拓く「人」の力を引き出し、輝かせる我々が目指す未来の姿24

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