『未来の東京』戦略
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(子供の目線を大切にした東京をつくる)○子供たちが、まちの中で多世代と交流しながら楽しく遊べるよう、子供の目線に立って、公園や図書館など子供が集まる場所のつくり方・使い方を見つめ直し、楽しめる環境を整えていく。いじめや虐待への適切な対処、悩みを気軽に相談できる環境など、子供に寄り添った取組を進める。○こうした取組を区市町村と共に進めるとともに、民間企業やNPOも含めて「子供を大切にする」ことが社会の共通規範となるムーブメントを起こし、社会全体のマインドチェンジを促していく。このように、笑顔の子供を生み出し、出産や子育てを家族の絆と社会が支えることで、子供を産み育てたい人で溢れ、少子化からの脱却を実現していく。(社会全体で子供に寄り添い、出産・子育てをサポートする)○コロナ禍では、友達と会えない、学校に行けないことで、多くの子供がストレスや不安を感じることとなった。先の見えない中で、保護者にとっても、子育ての負担やストレスなどが増大することとなった。○もとより、子供の笑顔には、周りにいる人々を笑顔にする力がある。今を生きる子供たち一人ひとりを大切にし、笑顔で毎日を過ごすことができる環境を整える重要性がより一層増している。○2019年の日本全国の出生数は、1899年の統計開始以来初めて90万人を割る86.5万人となり、改めて少子化の進行が強く認識されることとなったが、コロナ禍においては、感染への不安などにより更なる落ち込みが懸念されている。○少子化が続く人口減少社会では、将来の担い手が不足し、社会の活力が低下するなど、様々な面で大きな影響を及ぼし、人々が未来への希望を見出しにくい状況が生まれる。○我々は、次世代に幸せと希望に満ちた社会を引き継ぐため、強い危機感を持って、この問題に正面から向き合っていく。人口維持に必要な水準である合計特殊出生率2.07という数字は、子供を持ちたいという個々人の願いをかなえるとともに、人口減少に歯止めをかける決意を表すものである。○いわゆる「ワンオペ育児」による過大な負担や孤独感で、子育てする親が行き詰ってしまわないよう、コロナ禍で進んだ働き方改革や職場の意識変革を一過性のものとせず、夫婦で育児できる状況をつくるとともに、公的サービスや地域など社会全体で子育てをサポートし、子供も親も笑顔で、子育てが楽しいと感じられる社会へと変革を遂げていく。(資料)厚生労働省「人口動態調査」及び福祉保健局「人口動態統計」を基に作成51

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