『未来の東京』戦略
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(世界は、気候危機に直面している)○世界的な気候変動が、気温上昇や海水温・海面水位の上昇をもたらし、何十年に一度とされる規模の豪雨、台風が、毎年のように発生している。その影響は、遠い未来のものではなく、既に我々の身近な生活に及んでおり、世界全体が危機的な状況にある。○気候変動は、人間活動に伴い排出された温室効果ガスによりもたらされており、2018年公表の「IPCC1.5℃特別報告書」では、気温上昇をよりリスクの低い1.5℃に抑えるためには2050年頃に世界全体でCO2排出を実質ゼロにする必要性を示している。○また、今回のコロナ禍では、気候危機への対処を図りながら経済復興を目指すという新たな潮流が世界で生じており、こうした動きも踏まえて、サステナブル・リカバリーの観点から環境問題への対策を進めていく必要がある。(東京が環境先進都市として世界をリードしていく)○今後、都は、「サステナブル・リカバリー」をキーワードに、ライフスタイル、社会システムの転換といった意識や制度の変革を促すとともに、環境と経済を両立させるという新たな視点に立って、グリーン投資を積極的に呼び込み、イノベーションによる最先端技術の社会実装を進めるなど、あらゆる施策を総動員し、「ゼロエミッション東京」の実現を目指していく。○都が先導的な取組を進め、環境先進都市として世界のショーケースとなるよう、気候変動に対する世界的なムーブメントを起こし、世界全体のゼロエミッションに貢献していく。(2050年までに「ゼロエミッション東京」を実現)○東京は、都市活動・消費活動によるエネルギー消費に加え、プラスチックなどの資源を製造・流通・廃棄する段階でも多くのCO2を排出しており、資源・エネルギーの大消費地としての責務を果たさなければならない。○2019年、都は、2050年までに、世界のCO2排出量実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現を宣言して、ビジョンと具体的な取組等をまとめた「ゼロエミッション東京戦略」を策定し、2020年には「気候非常事態を超えて行動を加速する宣言(Climate Emergency Declaration : TIME TO ACT)」を表明した。また、本年1月には、温室効果ガスの削減目標を2030年までに2000年比で50%削減するための「2030・カーボンハーフスタイル」を提起する等、気候変動への取組をこれまで以上に深化させていく。91

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