『未来の東京』戦略
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(観光・文化への憧れがこれまで以上に高まっている)○新型コロナの感染拡大に伴う入国制限措置や外出自粛などにより、ここ数年過去最高を記録していた訪日外客数や消費額は記録的な落ち込みとなったほか、様々な文化イベントが中止となり、アーティストの活動の場も失われた。○この未曽有の事態を通じて、観光や文化、エンターテインメントは、人々に楽しさや喜びをもたらすことで人生を豊かにし、都市の魅力そのものを体現する重要な要素であることが再認識された。まさに今、これまで以上に多くの人々を惹きつけ、誰もが訪れたいと思える憧れの都市へ発展させるためのウィズコロナ、ポストコロナ時代の新たな戦略が問われている。(過去・現代・未来が織りなす東京の魅力を磨き上げ、「楽しさ」を生み続ける都市へと進化させる)○東京は、江戸時代から続く伝統芸能や歴史的な街並み、漫画やアニメ等の現代のポップカルチャー、最先端技術など、「過去・現代・未来」を楽しめる世界で特異な都市である。また、数多く立地する美術館や劇場などの芸術・文化施設、多彩な食文化など、東京の多様な魅力が世界中の人々を魅了してきた。○感染症の拡大は、人々の意識や社会経済状況に大きな変化をもたらしたが、旅の魅力そのものが失われたわけではない。都内の身近な観光資源を更に磨き上げ、マイクロツーリズムなど国内観光の需要を喚起するとともに、最先端技術を活用し、誰もが安心して快適に楽しむことができる「新しい日常」におけるスマートな観光のスタイルをつくりだしていく。そして、東京と全国各地の広域的かつ有機的な連携によって国内旅行を活性化させ、インバウンドの回復を見据えた戦略的な魅力発信やコンテンツ開発を行い、観光産業の持続的な成長を実現していく。○芸術文化の力で人々のウェルビーイングを高めていくとともに、東京の魅力の源泉であるアーティストや団体等の活動をしっかりと支え、「文化の祭典」でもあるオリンピック・パラリンピックの開催を通じて生み出されるレガシーを育て上げていくことで、未来に受け継がれる東京の財産として発展させていく。○東京が長年にわたって築き上げてきた様々な魅力をバージョンアップさせるとともに、大会のレガシーが都内全域に根付き、東京中で新たな魅力が連続的に生まれ、何度訪れても人々を惹きつける都市へと進化させる。東京大茶会93

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