首都移転にNO!
<東京都知事本局地方分権推進部国政広域連携・首都調査担当>

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七都県市首脳会議による意見表明 (平成11年11月11日)


 国会等移転審議会は、近日中にも移転先候補地を選定し、答申する予定と聞いております。

 七都県市が担ってきた首都機能を移転することは、今後の首都圏の再編整備のみならず、国民生活、我が国の政治・経済全体にとって極めて大きな影響をもたらすものであり、十分な議論がなされなければなりません。

 七都県市は、これまで、国土の均衡ある発展と我が国の社会システムの変革のためには、地方分権・規制緩和が優先されるべきであり、また、東京一極集中の解決のためには、業務核都市の育成・整備などによる「展都」と「分権」によって首都圏の再編整備を行うことが、最も現実的かつ有効な対応策であると主張してきました。

 東京圏は、今日まで我が国の発展に重要な役割と責任を果たしてきました。今後も引き続き、政治、経済、文化などの諸機能が有機的に働き合う場として、圏域全体のポテンシャルをさらに高めることが、国際社会における我が国の地位や競争力を強化するものと考えており、移転の影響等について十分検証することなく首都機能を移転することにより、我が国の国際的地位等が低下するようなことがあってはならないと考えます。

 七都県市は、一極集中の是正や国政全般の改革、災害対応力の強化といった移転の意義と効果そのものについて見直すべき時であると考えます。

 平成2年の「国会等の移転に関する決議」後、バブル経済が崩壊し、経済のグローバル化、情報通信の高度化が急速に進むとともに、東京への一極集中圧力も弱まるなど、社会経済情勢が大きく変化し、移転の必要性そのものが大きく揺らいでいます。

 また、新都市建設のような一点集中型の投資は、移転先地以外の地域への公共投資の削減等につながり、結果的にマイナスの影響をもたらすことになるうえに、新都市との往来などのコストの発生や新都市建設による環境への影響も問題です。

 21世紀の我が国は人口減少期を迎え、投資余力の減少が懸念されるところであり、膨大な移転費用をかけるのではなく、「大都市のリノベーション」の観点からも、東京圏が長年にわたって蓄積してきた既存の社会資本ストックを更新し、有効活用することこそが強く求められています。

 七都県市は首都機能を引き続き担う立場から、改めて「展都」と「分権」による首都圏の再編整備の推進を強く主張するとともに、移転先候補地の選定という具体的な段階に進む前に、移転の必要性や効果はもとより、21世紀における国家像を明確にした上で、日本の首都はどうあるべきか、移転が本当に国民のためになるのか等について深く検証するとともに、国民各層によるさらに十分な議論を尽くすべきであり、このまま首都機能移転事業が進められることに対して、強い懸念を表明します。


  平成11年11月11日 

七都県市首脳会議
埼玉県知事 土屋義彦
千葉県知事 沼田  武
東京都知事 石原慎太郎
神奈川県知事 岡崎  洋
横浜市長 高秀秀信
川崎市長 高橋  清
千葉市長 松井  旭

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