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一人ひとりの悩みと向き合う「コロナ後遺症相談窓口」

 新型コロナウイルスの後遺症に悩む人が少なくない。味覚・嗅覚の異常のほか、倦怠感や睡眠障害、呼吸苦など、症状はまちまちだが、3カ月以上にわたって症状が持続するケースもある。一般的に、これらの後遺症は時間の経過とともに改善される傾向にあるとされるが、長く症状が続けば、不安感が募っていくだろう。

 さらに症状には個人差があるため、外からはわかりにくいことが多く、医師や職場、家族にも理解されず精神的にも追いつめられてしまう、そういったケースもあるようだ。

 新型コロナウイルスの治療は済んでいるはず。その中で改めて病院に行くべきかもわからず、相談先に迷い、漠然とした不安を抱え続ける人たち―。

 こうした問題を受け、東京都では、新型コロナウイルス感染症の治療や療養終了後も後遺症に悩む方からの受診や医療に関する相談に電話で応える「コロナ後遺症相談窓口」を設置している。大塚、駒込、墨東、多摩総合医療センターの都立4病院に加え、4月26日からは東京都保健医療公社が運営する東部地域、多摩南部地域、大久保、多摩北部医療センターの各病院でも相談受付を開始した。

 実際、どのような相談が寄せられているのだろうか。東京都病院経営本部サービス推進部 宮川 聡史 事業支援課長に聞いた。

 「3月30日に相談窓口を設置してから4月23日までに、合計で158件の相談が寄せられました。10代から70代以上まで幅広い年代の方からご相談をいただいています。具体的な症状としてよく挙がるのは、嗅覚や味覚の異常と倦怠感です」

 宮川課長によると、相談者は10代から30代で全体の約3割を占めたという。

 「サービスを開始してから1カ月しか経っていませんから、データの量は限られていますが、『約3割』という数字から、若い人であっても後遺症に悩まされることがある、と言えるとは思うのです」

 あまり知られていないのは、陽性であっても無症状で過ごしていた若者が、後遺症に悩まされるようなパターンもあるということだ。

 「症状は性別、年齢を問わず、人によって本当に様々なのです。例えば常に焦げた臭いがするという方もいます。また、何を食べても塩辛く感じる方などもいます」(宮川課長)

 都が設置したコロナ後遺症相談窓口に連絡すると、看護師が電話口に出て症状や体調などをヒアリングしてくれる。症状についての具体的な悩み、何科を受診したらよいかなど、「体調がおかしいな?」と感じて初めて思い浮かぶ心配がたくさんあるはず。一人で悩むより相談して良かったと思えることもあるはず。

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 宮川氏は、「後遺症に対する治療法は、まだ確立されていません。ただ、新型コロナウイルスには後遺症が続く危険性があるということ、それ自体が認知されていないところもあります。まずは多くの人に後遺症の存在と危険性を知っていただき、ご自身にその疑いがある場合は、相談窓口にお電話いただければと思っています。症状により、かかりつけ医やお住まい近くの医療機関の受診をお勧めしたり、都立・公社病院の外来をご案内します」と話す。

 新型コロナウイルスの後遺症は身体的な症状のみならず、不安や社会生活などの全般に影響を及ぼすこともあり、「コロナ後遺症相談窓口」でのご相談を通じて、悩みを解決する糸口が見つかるかもしれない。

 万が一、自分やその家族、同僚、友人、大切な人が感染してしまった場合は、不安を取り除く方法のひとつとしてコロナ後遺症相談窓口があることを覚えておきたい。

(都在住ライター 赤坂 匡介)