(写真)座長 小池百合子

ワクワクする明るい未来の東京へ

東京未来ビジョン懇談会 座長 小池百合子


20世紀の幕開けとなった1901年、報知新聞の記事では、100年後を大胆に予測した「20世紀の豫言」が紹介され、人々に夢を与えました。「東京からニューヨークの友人と自由に対話できる」、「新しい機器が暑さ寒さを調節する」など、当時としては夢のようなアイディアでしたが、時と人の努力がつぎ込まれ、117年経った今では多くのものが実現しています。

世の中は常に変化を続けています。しかも、そのスピードは猛烈な勢いで加速しています。これまで100年かかった変化は50年に、さらにはもっと短い期間で遂げられていくのではないか、そのように感じてなりません。

これから東京は、人口減少というかつてない局面を迎え、高齢化もさらに進んでいきます。人口知能(AI)やIoTといった科学技術の著しい進歩は、人々の生活を劇的に変化させる力を秘めています。こうした中で持続的な発展を遂げ、世界をリードする都市であり続けるためには、東京の抱える課題の解決に全力で取り組むとともに、さらに長い目で、明るい未来の東京を考えていくことが欠かせません。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を経て10年、20年、さらに先の未来はどうなっているのでしょうか。誰でも気軽に宇宙に出かけたり、あるいは、時空を超えたコミュニケーションも可能になっているかもしれません。こんなだったらいいなと、自由な発想で、明るい未来を描いてみることは、都民の皆様に勇気と希望をもたらすとともに、斬新で夢のある政策の展開につながっていくと考えています。

このような思いから、平成29年1月、「東京未来ビジョン懇談会」を立ち上げ、様々な分野でご活躍の新進気鋭の方々と活発な議論を重ね、この度、懇談会が描く2050年頃の東京の姿を「21世紀の豫言」として取りまとめました。メンバーの自由な発想と創造力を結集した、ワクワクする東京の未来像をお楽しみいただきたいと思います。

もちろん、今回描いた未来の姿は、あくまでもその一端にすぎません。東京の明るい未来は、都民の皆様一人ひとりが考え、創っていくものです。

無限の可能性を持つ東京の明るい未来を共に築いてまいりましょう。