メイミの未来ビジョン

世界に誇れる東京の介護福祉

平均寿命と健康寿命との間には差があります。

「健康寿命」とは健康に日常生活を送れる期間のこと。

医療・技術の発展と共に、2050年代の未来には、あらゆる病気が治せたり、介護ロボットの活躍で要介護者でも健康な方と変わらない生活を送れたりと、健康寿命は延びるかもしれません。

そこで、私は「例え介護が必要でも障害があってもいかに笑って生きられる社会を実現できるか?」というお話を中心に未来を語ります。

皆さんはどう人生を生ききりたいですか?

誰もが歳をとります。老後のことまでを考えている若者はあまりいないでしょうが、老後という楽しい未来を想像して頂ければ幸いです。

先日、あるイベントに参加しました。

ホールスタッフが皆、認知症というレストランです。

注文を間違えることもあるけれど、皆が大らかな気持ちでお客さんも働く方々も笑顔で溢れていました。

しかしながら、これは3日間の特別なイベント。現実社会では厳しい状況もあります。

昨年、芸人の先輩が若年性認知症の為、引退しました。

認知症ながらも夢を持ち舞台に立ち続けていましたが、一人で現場へ通うことが困難になり、舞台に立つことを断念したのです。

もし、社会全体にあのレストランのような温かさと寛容さとサポート体制が整っていたら…

未来は、誰もが仕事、趣味、自分らしく生きる為に大切な事を継続できる社会になるかもしれません。

介護現場で出会った90代の女性が素敵なことを仰いました。

「生き方を変えたの。今までは年だから、きっと無理っていろいろ諦めてきたけど、これからはやりたいと思ったらやる!」

誰もがこの女性のように前向きに夢を持ってチャレンジできる社会になりますように。

日本は世界一の超高齢社会です。今後更に高齢化は進み、それに伴い介護が必要なお年寄り、認知症も増加します。

誰もが自分らしく生きられる社会を目指す上で、介護福祉の質の向上は必須です。

そしてそれは、世界に誇る介護福祉社会「東京」となるチャンスでもあります。

介護ロボット等の最新技術はもちろん、介護従事者の専門スキルも素晴らしく、介護福祉業界は子供たちの憧れの職種となる未来。

個々の個性やニーズに合わせて「どう生きたいのか」という想いに寄り添ったケアを提供できることが本来の介護の在り方です。

人手不足等からそれが実現できない場面も多い現状があります。

介護業界のイメージアップを図り、人材確保へ繋げることは一つの課題です。

そして今後は、技術発展に伴う効率化により、心のケアに費やす時間を増やすことが期待されます。

介護現場では人生の大先輩から多くのことを学びます。そして、共に笑って過ごす時間はかけがえのないものです。

単にお金を稼ぐだけでなく、人生の大切なことを学ぶ場。介護とは、やりがいを感じ、感謝の心と笑顔が溢れる魅力的な仕事であるということをお伝えし、介護の話は締めくくりたいと思います。

社会全体が障害や認知症、その他少数派の人たちを当たり前に受け入れ、互いに助け合える心優しい未来が訪れることを願います。

自分とは違っても皆同じ人間。障害があるから可哀想、不幸ということはないのです。

皆それぞれに苦悩や喜びを感じ、同じ東京で生きています。

多種多様な人たちが集まり社会を形成しているのです。

様々な障害者の方と交流する機会があり、一緒に笑って過ごしてみると障害があること自体を不幸とは思えません。

ふれあう機会もなく知らないが故に勝手な想像や偏見が生まれるのではないでしょうか。

さて私事ですが、子を授かりました。

間もなく臨月を迎え、皆さんが読んでいる頃にはこの世に誕生します。

後に続く人を想い未来を描くことは面白いものですね。

実は、妊娠4ヶ月目に出生前診断を受けました。

「命の選別」と、今尚、議論が交わされる出生前診断ですが、「事前に知る事で迅速な医療対応、心の準備等ができる」という理由で検査に至りました。

結果は陽性、ダウン症です。妊娠5ヶ月目には確定診断を受け、この子を迎える準備を始めました。障害があるということは、決して特別なことではないと改めて実感しています。

「周りの人たちはこの子の誕生を手放しで喜んでくれるのだろうか?」不安はよぎります。

私自身、障害があることを不幸だとは思っていません。

困難が立ちはだかることはあるかもしれないけど、それと幸せに生きることは別です。

バリアフリー化は進むものの、まだまだ課題は多く、最も大きな壁は心のバリアです。

医療、技術が目まぐるしく発展する中、人々の心や価値観は、どれだけその変化に追いついていけるでしょうか?

人の心・精神面の成長が、明るい未来の創造に大いに関わってくると思います。

「お互いの個性を認め多種多様な人が笑顔で活躍する東京」

想像すると面白そうな未来だとワクワクしてきます。