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国際金融都市、特区・外国企業誘致

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学生向け金融セミナー 知っておきたい金融の基礎知識 第2回

今回は「感情」のお話です。
投資をされている方で、十分満足のゆく利益を出せている方はそう多くはいないのかも知れません。
次のグラフをご覧ください。

これは、過去30年間の株式と債券の代表的な指数と、それぞれの投資信託を保有していた投資家のリターンを比べたデータです。米国を代表する株式指標であるS&P500は年率11.11%のリターンだったのに対し、S&P500に連動する投資信託の保有者の平均リターンは3.69%と大きく劣っています。債券投資にしても同じ傾向が出ています。

このパフォーマンスの差を「行動ギャップ」と言います。

株が高くなってくるとまだまだ上がる気がしてついイケイケで買ってしまう、あるいは、ドカーンと下がると怖くなって慌てて安値で売ってしまう...株式や投資信託への投資では割とよくある失敗例です。

人間は感情で動く生き物であり、人間の持つ「感情」が邪魔をして、時に非合理的な行動をとってしまいます。群集心理(ハーディング効果)も同じ原理です。例えば、並んでいるラーメン屋さんと並んでいないラーメン屋さんがあればどちらに入りますか?
人間というのは安全(と思われる)なものを求め、ついつい人と同じ行動を取ってしまう生き物なのです。
もしかすると、人間の脳は投資に向いてないのかもしれません。
では、どのようにしたら良いのでしょうか。

投資は往々にして「感情」によって失敗します。であれば、感情に左右されなければ良いのです。つまり、ルールを決めて、それを愚直に守るのです。

日比谷公園や明治神宮を設計し、「公園の父」と呼ばれた本多静六さんという方が居ます。明治から昭和の時代にかけて学者や造園家として活躍した本多さんは、40代にして今の価値にして100億円の財産を築きました。

まずは株式投資の元手を作るために「4分の1天引き貯金法」を実践しました。あらゆる定期収入の4分の1をすぐさま強制的に貯金に回してしまい、残りの4分の3で生活するのです。月末になると現金がなくなり、ごはんのおかずがごま塩だけになっても続けたそうです。

こうして貯めたお金を基に株式投資を始めますが、決めたルールは「2割利食い10割益半分手返し」です。
具体的な方法は次の通りです。まずは狙った銘柄を先物(信用取引)で買います。そして期限が来る前に2割上がれば売却し、利益を含めて預金に預けます。長期保有を決めて現物で投資する銘柄に関しては、倍になったら半分を売り、元本を確保した上で保有を続けるという方法でした。
さらに、リスクを分散するために、30種類以上の業種に分散し、それぞれの業種の中で優良銘柄を厳選して投資したそうです。

本多さんは、自分で決めたルールを愚直に守り続けました。そうです!「愚直に守り続けた」のです。ここが一番大切です!

ルールは人それぞれで良いのです。決めたらそれをやり続ける、守り続けることが大切です。わかっちゃいるけど・・・ですね(^^;

そこで、シンプルでどなたでも守れるルール、「感情に左右されずにシステム的に投資する」方法をお伝えします。

それは、「定期的に」「同額で」購入していく、「定期同額投資」です。

例えば、ある投資信託を半年間、毎月1万円買うとします。下の表をご覧ください

平均購入単価が888.9円になってますね!価格が半年前と変わらず1,000円でも口数を67.5口保有しているので、7,500円も評価益が出る計算になります。これは、基準価額が安い時には購入口数が多くなり、基準価額が高い時には購入口数が少なくなるからです。

もちろん、この方法も万能ではありません。価格が一本調子で上がっていくとしたら、今一気に買う方が良い結果になります。

しかし、例えどんなに好業績の企業でも一本調子で株価が上がり続けるということはありませんし、明日上がるのか、1か月後はいくらになっているのか、わかるはずはありません。どんな有名なエコノミストであろうが著名な投資家であろうが、常に株価予想を当て続けることは不可能なのです。

投資で失敗する原因の一つに「感情」があることをお伝えしました。であれば、長期的には上昇すると見込まれる投資対象に、「定期同額投資」で、価格に一喜一憂することなく、システム的に淡々と投資していくことは有効です。

ちなみに、本多清六さんは、退官すると全財産を匿名で寄付されました。最後にそんな本多さんの名言を。

世の中には濡れ手で粟を掴むような旨いことが、そうザラにあるわけのものではない。
手っ取り早く成功せんとする人は、手っとり早く失敗する人である。
秦の成功には速成もなければ、裏道もない。
あせらず怠らず、長い道を辛抱強く進んでいくよりほかはない。

それではまた!