学生向け金融セミナー 知っておきたい金融の基礎知識 第10回

更新日

皆さん、こんにちは。株式会社WealthLead(ウェルスリード)の濵島です。今年もどうぞよろしくお願い致します。

前回はiDeCoのお話をしました。今回はつみたてNISAについてのお話です。

つみたてNISAの前に、NISAの説明をします。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAは毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。そしてNISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。この中のジュニアNISAは2023年で制度が終了してしまうため、説明を割愛します。

下表は一般NISAとつみたてNISAの比較です。

表:一般NISAとつみたてNISAの比較

いかがでしょうか。どちらを選ぶかは人それぞれですが、次のようなニーズをお持ちの方は一般NISAの利用が良いと思います。

  • 株式個別銘柄への投資で利用したい
  • 配当金や分配金を非課税で得たい

ちなみに、80歳になる私の母親は「少しでも多く配当金をもらえたら嬉しい」とのことでしたので、配当金や分配金を非課税でもらうために一般NISAを利用しています。

これから資産形成を目的とする方におススメはつみたてNISAです。少額でも良いから、「長期的」に「分散」しながら「低コスト」で資産を積み上げていく、これが資産形成のポイントなのです。
そしてつみたてNISAは、「20年間非課税→長期間の税制優遇、積立投資のみ→時間分散投資、対象商品は金融庁お墨付きの低コスト商品→低コスト」であり、利用することによって自然と資産形成のポイントを押さえることが出来る方法なのです。利用しない手はない!と思います。

なお、2020年度税制大綱の中で一般NISAとつみたてNISAの改正案が公表されています。詳細は割愛しますが、一般NISAは仕組みを変えて、つみたてNISAは従来通りの仕組みでいずれも5年間延長される予定です。

「ファイナンシャルインデペンデンス」という言葉があります。直訳すると、「経済的自立」、わかりやすく言うと「十分な金融資産を築き、お金の悩みや不安から解放される」という意味です。

人生100年時代を迎え、「生涯現役」という考え方が広まってきているように思います。ただ、生涯現役でも「生きていくために働かざるを得ない」のと「自分の好きなことを好きな働き方で楽しむ」というのでは随分違います。「できるだけ若いうちに十分な金融資産を築き、フリーランス等で働くことにより自由と時間を手に入れる」、こんな考え方が支持されてきているのではないでしょうか。

ちょっと試算してみましょう。単純な複利計算ですが、毎月20万円を年複利7%で積み立てたとすると約20年で1億円に到達します。収入を得ることになれば出来るだけ早く積立投資をスタートする、ミニマルな生活を志向する、結婚したら共働きで可能な限り積立投資に回す、これを実践すれば30代や40代でファイナンシャルインデペンデンスを実現できる可能性は十分あります。余談ですが、ミニマルな生活は地球環境にも優しいので、SDGsの観点からも私は素敵だなと思います。

日比谷公園や明治神宮を設計し、「公園の父」と呼ばれた本多静六さんという方が居ます。本多さんは、40代にして今の価値にして100億円の財産を築きました。その秘訣は「4分の1天引き貯金法」を実践していたことにあります。つまり、もらった給料はすぐさま4分の1を貯金・投資してしまい、残りの4分の3で生活をしたのです。

前回お話したiDeCoとつみたてNISAを併用することで、資産形成における税制優遇をフルに活用する事が出来ます。新しい年が始まったところです。今年の税制優遇枠をできるだけ有効活用するためにも始めるのには新しい年が始まったばかりの今がチャンスです。ぜひスタートしてみてくださいね!

記事ID:000-001-20231008-000368