女性のための金融セミナー 知っておきたい金融の基礎知識 第5回

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皆さん、こんにちは!株式会社WealthLead(ウェルスリード)の濵島です。いよいよ最後のコラムになります。今回は3日間集中セミナーでもお話しした「ESG投資とSDGs」について、もう少し書いてみたいと思います。

ESGというのは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の英語の頭文字を合わせた言葉です。企業の価値を測る材料として、キャッシュフローや利益率などの財務情報だけでなく、非財務情報であるESG要素を考慮する投資を「ESG投資」といいます。具体的には、「E」は地球温暖化対策や環境ビジネス、「S」は人権や女性活躍、地域社会への取り組み、「G」は透明性の高い統治体制や積極的な情報開示などが挙げられます。

私たちの公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もESG投資に積極的です。(ちなみに、GPIFは運用資産約151兆円を持つ世界最大級の投資家です)
GPIFのホームページには、「環境問題や社会問題は資本市場や企業業績に影響を及ぼす。従って、長期的に安定した投資リターンを追求する上ではESG要素に配慮した投資は不可欠」との記載があります。
具体的な行動としては、株式運用を委託する金融機関にESG投資をするように要請、重大なESG課題については投資先企業と積極的に会話するよう求めています。さらにESG指数に基づいた株式投資や、債券等のすべての投資資産でESGの要素を考慮した投資を進めています。

また、ESG投資とSDGsとの関係についても以下のような図とともに記載があります。

画像:ESG投資とSDGsとの関係

主旨は以下の通りです。
SDGsの17の目標のうち、自社にふさわしい目標を経営戦略として取り組み、社会的課題の解決を図る。その結果、企業と社会の「共通価値」を創造し、企業価値も持続的に高まる。こうした企業はESGにも配慮した経営となり、ESG投資を実践する投資家に長期的なリターンをもたらす。つまり、ESG投資とSDGsは表裏一体の関係である。

私は、「社会的課題にビジネスとして取り組む企業は評価され、ESG投資家にもリターンをもたらす」と理解しています。

SDGsの17の目標を再度見てみましょう。

図1

 

1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう

いかがでしょうか。この17の目標が達成されたら素敵な世の中になりますよね!私はこれに取り組む企業や組織は価値ある企業や組織だと思いますし、応援したいと思います。もちろん、個人で出来ることは私も取り組みたいと思います。

私の持論は「投資は社会貢献」です。投資をすることが人生と社会を豊かにすると信じています。一人一人ができる範囲で投資を実践し、お金の好循環が生み出す素敵な世の中になることを願ってやみません。さて、5回に渡ってお伝えした「女性のための金融セミナー」のコラムは今回で最後になります。ぜひ、ここで学んだことをご自分の資産運用に生かしていっていただきたいと思います。

図2
記事ID:000-001-20231008-000618