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東京23区の大学における定員抑制について

東京23区の大学は、全国で唯一、学部・学科の定員が増やせないように規制がかけられています(以下「23区規制」と言います)。この23区規制により、大学は学部・学科の新設が自由に行えず、学生の選択や大学経営の自由などを縛る結果となっています。このことは、学生の学びと成長の機会を奪うのみならず、大学ひいては日本の国際競争力の低下につながりかねません。

こうしたことから、東京都は、23区規制の早期撤廃を求めています。本ページでは23区規制に対する東京都の考え方をまとめたQ&Aやこれまでの活動をまとめています。


コンテンツ(目次)


23区規制に係るQ&A 一覧

 
  1. 東京23区の大学定員の抑制とは?
    • 東京23区の大学は、地方大学・産業創生法により、23区規制がかけられており、平成30年からの10年間、原則(※)、定員を増やすことができません。
    • 23区規制には、「地方創生」の理念のもと、東京の大学の定員を増やせなくすることで、地方に残る学生を増やそうという狙いがあります。
    • 例外事項:定員総数の増加を伴わない学部・学科の改編、留学生や社会人の受入れによる定員増 等
    • 令和5年6月の省令改正により、デジタル分野については23区内でも定員を増やすことが可能となったが、一定期間後には増加前の定員数に戻さなければならないなどの要件あり(Q4参照)
  2. 「地方創生」のために大学定員を抑制する理由は?
    • 国は、23区規制により、地方に残る学生を増やすことを目指しています。
    • しかし、下のグラフからもわかるとおり、近年、都内大学への進学者は増加しているものの、その増加は東京と近隣3県からの進学者(グラフの青色部分)によるものであり、地方からの進学者(グラフのオレンジ部分)は、工業(場)等制限法廃止後も微減傾向にあります。
    • こうしたことから、23区の大学の定員を抑制しても、地方に残る学生の増加には有効であるとは言えないと考えています。
     
  3. 若者にとっての学びの自由は?
    • 高校生などは大学進学先を決める際に、「学びたい学部・学科・コースがあること」を重視しています。
    • 若者の学びのために本当に必要なことは、東京であれ地方であれ、立地にかかわらず、学びたいと思える大学を増やすことだと考えています。
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  4. 23区内の大学でも、デジタル人材に限って定員を増やすことが認められたって本当?
    • 国は、「デジタル推進人材」を2026年度末までに230万人育成する目標や、理工系学生の割合を5割程度まで引き上げる方針です。
    • 令和5年6月、「高度なデジタル人材」を育成する学部・学科に限り、定員を増やすことが認められました。しかし、定員を増やしても、一定期間後に増加前の定員数に戻さなければならないなどの要件があり、極めて限定的な措置であると考えています。
     


最近の主な活動

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和5年11月)

文部科学省(令和5年11月27日)、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(令和5年12月4日)に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和5年6月)

文部科学省(令和5年6月27日)、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(令和5年6月28日)、経済産業省(令和5年7月25日、26日)に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学における定員増を抑制する規制に係る国の有識者会議の議論のまとめに関する知事コメント(令和5年2月16日)

令和5年2月16日、内閣官房の下に設置されている有識者会議において、議論のとりまとめが行われたことを受けて、知事がコメントを発表しました。

東京23区の大学における定員抑制等に係る緊急要望(令和4年10月18日)

内閣官房において、令和4年9月12日に23区規制に関連する第1回有識者会議が開催されたことを受け、デジタル田園都市国家構想担当大臣に対して、緊急要望を行いました。


賛同団体一覧

以下の団体も東京都と同様の意見を表明しています。

(50音順)


23区規制についてもっと知りたい方のためのQ&A


  1. 23区規制により、地方に若者を定着できる?
    • A2のとおり、都内大学の学生数の増加は、東京圏からの進学者の増加によるものです。
    • 注目すべきは、地方からの進学者は昔から増えていないということです。つまり、地方に若者を定着させるためには、23区規制とは別の発想が必要となります。
     
  2. 地方の学生の進学先は東京に集中している?
    • 例えば、23区規制ができた平成30年の時点で既に、近畿地方や中国地方では、東京都への進学者よりも大阪府や京都府への進学者の方が多くなっています。その他にも、九州地方であれば福岡県、東北地方であれば宮城県への進学者の方が東京都への進学者よりも多いなど、地方学生の進学先は東京に集中している訳ではありません。

    • さらに、地方の高校を卒業して大学に進学した全学生のうち、23区内の大学に進学している学生はわずか6%に過ぎないことからも、地方から23区内大学へ進学する学生は多くはないと言えます。

  3. 海外にも23区規制と同じような制度はある?
    • 大学の立地だけをみて定員を抑制する法律は海外でもほとんど見当たりません。
    • イギリスでは各大学に学生定員の上限が設けられていましたが、高等教育の拡大推進のため、2015年に都市部を中心とした一部地域(イングランド)の定員上限が撤廃されました。
     
  4. 日本の大学の国際競争力が下がっている?日本の大学の現状は?
    • 2014年と2024年の「世界大学ランキング」を比べてみると、近年ではアジア諸国の躍進が目立つ中、世界における日本の大学の地位は相対的に低下していると言えます。

    • 大学等での科学研究活動の成果を示す「注目度の高い論文数」において、日本の世界ランクは年々低下し、主要国から後れを取っていることが分かります。

  5. 世界のデジタル競争は熾烈化しているけど、日本の状況は?
    • 2023年の「世界デジタル競争力ランキング」で、日本は過去最低の32位を記録してしまい、世界に後れを取っています。
    • 「デジタル分野」等の成長分野の人材育成は、日本にとって待ったなしの状況です。
    • ※ 以下には、デジタル分野における我が国の状況をスライドにして埋め込んでいます
       

これまでの要望活動等

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和4年11月)

令和4年11月、文部科学省(21日)、経済産業省(21日)、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(28日)、デジタル庁(28日)に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学における定員抑制等に係る要望(令和4年9月8日)

内閣官房において、本規制に関連する有識者会議が開催されることを受け、令和4年9月8日、デジタル田園都市国家構想担当大臣に対して、要望書を提出しました。

令和4年度 全国知事会「デジタル社会の実現に向けた提言」

令和4年7月28日、29日に行われた全国知事会議において、デジタル社会の実現に向けた国への提言が取りまとめられました。本提言には、都の提案により、九都県市首脳会議共同要望にある「AIやデータサイエンス分野の大学の収容定員に関する規制の見直し」の内容が盛り込まれました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和4年6月)

令和4年6月、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局(22日)、文部科学省(22日)、経済産業省(22日)、デジタル庁(24日)に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和3年12月17日)

令和3年12月17日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

九都県市首脳会議共同要望「デジタル人材の育成」の要望活動(令和3年12月3日)

令和3年12月3日、小池知事は、牧島デジタル大臣と面会し、「デジタル人材の育成」についての要望を行いました。

九都県市首脳会議共同要望「デジタル人材の育成」(令和3年10月25日)

令和3年10月25日、第80回九都県市首脳会議において、都が提案した「デジタル人材の育成」について合意されました。本要望は、AIなどのデジタル化を進めていくため、我が国の教育システムや、AIやデータサイエンス分野の大学の収容定員に関する規制の見直しなどの内容を盛り込んだものです。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和3年6月30日)

令和3年6月30日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和2年11月30日)

令和2年11月30日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和2年8月13日)

令和2年8月13日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和元年12月12日)

令和元年12月12日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(令和元年7月)

令和元年7月、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局(11日)、文部科学省(18日)に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(平成30年11月30日)

平成30年11月30日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増抑制に係る国への提案要求活動(平成30年7月12日)

平成30年7月12日、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省に対して、提案要求活動を実施しました。

東京23区の大学の定員増の抑制に係る法案が国会で可決・成立したことに関する知事コメント(平成30年5月25日)

平成30年5月25日、国において東京23区の大学の定員増の抑制を含む「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案」が可決され、法律として成立したことを受けて、知事がコメントを発表しました。

東京23区の大学の定員抑制に反対するシンポジウム
~これでいいのか!? 地方創生、大学のあり方~(平成30年2月9日)

地方創生や大学のあり方を多くの方に考えていただくことを目的として、シンポジウムを開催しました。当日の詳細は、下記をご参照下さい。

当日の模様

画像:パネルディスカッション
パネルディスカッション
画像:小池知事
小池知事
画像:会場全体
会場全体

シンポジウムスライド

当日配付資料

会議の模様

会議の模様を動画でご紹介いたします。

シンポジウム以前の要望等

平成30年2月2日

東京23区の大学の定員増の抑制に係る緊急声明

他団体からの賛同意見

平成29年12月8日

地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議最終報告に関する知事コメント 発出

平成29年11月21日

地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議最終報告(素案)に関する知事コメント 発出

平成29年9月29日

東京23区の大学における定員増の抑制等に係る文部科学省の告示に関する知事コメント 発出

平成29年9月11日

文部科学大臣への緊急要望 実施

平成29年9月4日

まち・ひと・しごと創生担当大臣への緊急要望 実施
記事ID:001-000-20231014-003041