第14回 仮想通貨・電子決済について 山岡浩巳氏

更新日

第14回 都庁マネジメント本部

日時

平成29年8月25日(金) 10:45~11:45

場所

都庁第一本庁舎7階小会議室

出席者

知事、副知事、教育長、政策企画局長、主税局長、オリンピック・パラリンピック準備局長、産業労働局長、会計管理局長 ほか

議題

仮想通貨・電子決済について

内容

外部有識者(山岡浩巳氏 *日本銀行決済機構局長)を招き、仮想通貨や電子決済に関する講義と意見交換を行った。

講義の概要

講義テーマ「仮想通貨・電子決済と経済社会の未来」

  • ビットコインなどの仮想通貨(暗号通貨)と、クレジットカードや電子マネー、フィンテック型の決済手段などの電子的決済手段は混同されがちだが、現在、世界の経済社会に大きなインパクトを及ぼしているのは後者。
  • 仮想通貨には、特定の国家や中央銀行の政策に発行量が左右されないなどの特徴があるが、一方で信頼をゼロから作るためのコスト(計算のための電力等)がかかる。このため、信頼できる中央銀行がある場合は、その債務を支払い手段とする方が通常は安上がりとなる。仮想通貨は現状では主として投資・投機の対象となっている。
  • 決済の電子化により、支払いが様々な情報やデータと結び付くことから、これらの情報をどう使うかがグローバルな産業・ビジネスの最大のテーマ。情報やデータの集積が、新たな経済的パワーの源泉となってきている。
  • 中国では電子決済が圧倒的なシェアを占めるに至っている。その背景には「テクノロジーで日々の生活をより良くする」という発想。交通機関や娯楽、公共サービス等日常生活のすべてをカバーするモバイルアプリが供給され、金融・決済はその中のサービスの一つに過ぎない。一方で「人間のデータベース化」とも呼べる現象も進行。
  • 日本でも電子決済の取組はそれなりに進んではいるが、フィンテックへの投資額などで中国や米国との差は歴然。
  • 情報技術・電子決済の未来について考える時、ビッグデータの活用と個人の尊厳の両立、物理的な境界線(経済取引がどこで行われたかなど)の持つ意味の変質などが大きな論点となるだろう。

意見交換等

仮想通貨や電子決済に関して、世界の状況や日本における展開などについて意見交換した。

記事ID:001-000-20231012-002007