第22回 EMP(電磁パルス)について 鬼塚隆志氏

更新日

第22回 都庁マネジメント本部

日時

平成29年12月25日(月) 11:00~12:00

場所

都庁第一本庁舎7階小会議室

出席者

知事、副知事、教育長、東京都技監、政策企画局長、総務局長、財務局長、交通局長、水道局長、下水道局長、病院経営本部長、危機管理監 ほか

議題

EMP(電磁パルス)について

内容

外部有識者(鬼塚隆志氏 *元陸上自衛隊化学学校長)を招き、HEMP(高高度電磁パルス)攻撃に関する講義と意見交換を行った。

講義の概要

意見交換等

HEMPによる影響や被害の想定、防護技術等の対処方法などについて意見交換した。

  • 核爆発によって生じるHEMP(高高度電磁パルス)はEMPの一種。HEMP攻撃は、人員殺傷・建造物破壊を引き起こすことなく、高度に発展した電力系統、電気・電子機器系統を広域に渡って瞬時に破壊する。
  • 大量に破壊された電気・電子機器やそのシステム等を復旧するには多大な復旧要員と資機材が必要になり、長期間復旧しない場合、結果として飢餓や疾病が発生・蔓延し、大量の人員が死に至ると言われている。
  • HEMPに対する国際的な取組として、核兵器保有の制限や阻止等の国際政治的な取組や、HEMPの破壊効果に対処するための技術的取組がある。後者に関しては、IEC(国際電気標準化会議)やITU(国際通信連合)により、電子機器に関する規格・指針の勧告がなされている。
  • 日本においても、速やかに政府主導で官・産・学が一体となり、IEC等の指針・勧告に基づいて、HEMP対応の可否の実態や対応可能技術を調査把握しつつ、各国間における相互支援体制の確立や、国内における技術的な防護準備などを実施する必要がある。
  • 技術的な防護準備としては、HEMP攻撃に対して強靭で冗長性のある政府・自治体等の組織の構築や、電子機器・システム等のHEMP遮蔽機能や分散配置、復旧用の予備機器等の備蓄を行うことなどが必要。防護準備には、各業界の総合的な知識が必要であり、また、まずは実験施設が必要。
記事ID:001-000-20231014-003040