第26回 オリンピック・パラリンピックのセキュリティについて 板橋功氏、名和利男氏
- 更新日
第26回 都庁マネジメント本部
日時
平成30年3月9日(金) 15:00~16:30
場所
都庁第一本庁舎7階小会議室
出席者
知事、副知事、教育長、東京都技監、総務局長、財務局長、オリンピック・パラリンピック準備局長、消防総監、青少年・治安対策本部長、警視庁オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部副本部長、危機管理監 ほか
議題
オリンピック・パラリンピックのセキュリティについて
内容
外部有識者(板橋功氏 * (公財)公共政策調査会研究センター長、名和利男氏 * ㈱サイバーディフェンス研究所専務理事)を招き、オリンピック・パラリンピックにおけるセキュリティに関する講義と意見交換を行った。
講義の概要
板橋功氏:講義テーマ「テロ対策について ~東京2020大会に向けて~」
- 最近のテロは、その国で生まれ育った若者などが過激化した「ホーム・グローン」や、一人で犯行を行う「ローンウルフ」によるものが多い。また、従来の面的・線的に展開する組織的なテロと違い、インターネット・SNS等で刺激され過激化することで、テロが「点」で展開される特徴があり、どこで発生するのか探知や未然防止が難しい。
- 鉄道や大規模集客施設等のソフトターゲットは、その公共性から狙い易く守りにくく、社会・経済等への影響といったインパクトが大きいため、テロの標的となる。オリンピック・パラリンピックはいわば巨大なソフトターゲット。
- 最近のテロは、治安機関のみでは防ぐことができない。テロ対策には、関係機関・自治体・事業者・市民・国民の理解と協力、連携が不可欠であり、東京2020大会に向けて、国民全てが当事者意識を持つことが必要。
名和利男氏:講義テーマ「2020東京オリンピックに向けた認識すべきサイバー脅威とその背景」
- リオ大会では、観光客を狙った空港でのATMスキミングや、チケット販売の偽サイト等によるネット詐欺、偽のWi-Fiネットワークによる情報の抜き取り、銀行決済における入力情報の窃取、などのサイバー攻撃が行われた。また、大会に反対する攻撃キャンペーンや、IoTを踏み台としたDDoS攻撃の急増等がみられた。
- 北朝鮮に関連すると思われるサイバー攻撃として、2017年には、世界各国の銀行への水飲み場攻撃、韓国の仮想通貨取引所へのスピアフィッシング攻撃、WannaCryによる史上最大のランサムウェア攻撃など、資金獲得を目的としたものが目立った。
- 平昌大会においても、オリンピック関連組織を狙った攻撃が発見されている。
- 東京2020大会に向けては、攻撃者の特性や日本を取り巻く状況を踏まえ、リスク回避策を考えていくことが必要。
【意見交換等】
海外の事例等を踏まえて、東京2020大会に向けたテロ対策・サイバーセキュリティ対策などについて意見交換した。
記事ID:001-000-20231014-003036