第5回 社会保障、守るものと変えるべきもの 権丈善一氏
- 更新日
第5回 都庁マネジメント本部
日時
令和5年2月10日(金) 14:45~15:45
場所
都庁第一本庁舎6階ホール
出席者
知事、副知事、教育長、政策企画局長、総務局長、財務局長、福祉保健局長、産業労働局長、子供政策連携室長 ほか
議題
「社会保障、守るものと変えるべきもの」
内容
外部有識者(慶応義塾大学 権丈善一教授)を招き、これからの社会保障制度のあり方などについて、講義及び意見交換を行った。
講義の概要
【講義テーマ】「社会保障、守るものと変えるべきもの」
(権丈教授発言概要)
- 経済規模を決めるのは需要か供給か。この点における観点が異なると社会保障への政策スタンスが180度変わる
- 生産性には物的生産性と付加価値生産性の2種類あり、意味が異なる。今は低い付加価値率のビジネスを長く常態としてきた状況からの転換点にあり、高付加価値率のビジネスへの転換に向けて経営者の経営力が問われている時代
- 経済学の世界では、政策が経済成長を促すという証拠は見いだされていない(教育投資を除いて)。ただし政策としては、労働者を守るセーフティネットの整備の他は市場規律に委ねる方が起業家精神、アニマルスピリッツは促される
- 医療・介護・年金など、主に高齢期向けの社会保険が充実すると少子化は進み、子育て費用の社会化は必須となる。今この国では、社会全体でこどもを育てるという理念を、若い人たちに信じてもらえることが必要
- 社会保険は、将来、貧困になることを防ぐ防貧機能を果たす制度である。社会保険と税を区別できない論者が多く、社会保険の給付を考慮せず、手取り収入に屈折点があることを「年収の壁」と呼ぶのは、人々を不幸な選択に導く
記事ID:001-000-20231012-002051