東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園/港湾局

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[はじめに]この記事についてご留意いただきたいこと:

  • 令和3年7~9月に東京都メディアセンターで国内外のメディア向けに行ったオンラインブリーフィングの内容を、ウェブ上で読みやすいように編集して記事にしたものです。
  • オンラインブリーフィングは日本語と英語の逐次通訳で行われました。そのため、スライドの中には英語のみで表記されているものもありますが、ご了承ください。
  • 内容はブリーフィング時点のものであり、現時点とは事業内容等が異なる場合がありますので、ご承知おき願います。

東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園

東京都は、自然環境の再生や保全を進め、持続可能な都市づくりに取り組んでいます。本日は、都市と共存した干潟の実例として、葛西海浜公園を紹介します。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(2)

 

葛西海浜公園は、東京臨海部の東端、東京湾の奥部に位置しています。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(3)

 

この図は東京港の今と昔を示したものです。

東京の海は遠浅であったため、1950年代からの高度経済成長期の都市化により沿岸部の埋立てが進められ、東京は経済的に大きく発展しましたが、同時に、水質汚染など環境悪化を招き、海が都民生活から大きく遠ざかってしまいました。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(4)

 

東京都は、このような状況を反省し、東京の海を都民に取り戻すため、1970年、東京港における多くの公園づくりに着手しました。1989年、東京に残る最後の自然の海辺を保全した、葛西海浜公園が誕生しました。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(5)

 

これは、葛西海浜公園を上空から撮った写真です。「三枚洲」と呼ばれる自然干潟を保全するため、「東なぎさ」と「西なぎさ」の2つの人工海浜を整備しました。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(6)

 

東なぎさは、自然環境を保全するために、人の立ち入りを禁止しています。東京湾を生息の北限とするトビハゼをはじめ多くの魚介類が生息しているほか、120種を超える鳥類が確認されています。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(7)

 

西なぎさは橋を渡って行くことができ、海辺のレクリエーションや海の自然と触れ合う場として親しまれています。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(8)

 

この干潟では、四季を通じて多くの鳥が飛来しています。冬季には、毎年2万羽を超えるカモ類やカンムリカイツブリなど、多くの渡り鳥が飛来します。

葛西海浜公園は、様々な生き物の生息を支える国際的にも重要な干潟であることが認められ、2018年に、干潟の保全や持続的利用を進めるためのラムサール条約湿地に、東京都で初めて登録されました。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(9)

 

こうした干潟の自然や海の歴史文化を守り、次世代に継承していくため、NPOやボランティア団体などが様々な取組を行っています。定期的な清掃活動や、自然観察、かつて東京の海で盛んであった海苔養殖など海辺の文化を継承するため、海苔づくりを体験するイベントなどを実施しています。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(10)

 

ここでは、海の自然の魅力を感じることができるほか、海の大切さや様々な課題を学ぶことが出来ます。

東京の都心近くにありながら自然が残されており、都市と自然とが共存した姿を、動画でご覧ください(動画の公開は終了しました)。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(11)

 

首都圏4,000万人の暮らしを支える、日本最大級の港湾である東京港のほど近くに、自然の宝であるラムサール条約湿地が存続していることはまさに奇跡です。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(12)

 

人々のさまざまな営みが豊かな自然と共存しているこの公園は、国際的にも貴重な事例となっています。都は、これからも地域住民や公園利用者とともにこの干潟を守り、活用する取組(ワイズユース=賢い利用)を進めていきます。

 

TMCブリーフィングスライド:東京都初!ラムサール条約湿地 葛西海浜公園(0)

 

※このブリーフィングは、2021年8月5日に実施されました。

参考

記事ID:001-000-20231012-001942